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よくわかる介護の話

2020年10月1日

認知症の人にはどう対応すべき?心得やNG対応、具体例などを紹介

認知症は、家族や身近な人の対応しだいで落ち着いたり悪化したりするものです。そのため、周囲の人が「どのように対応すればいいのか」を理解しておく必要があります。

この記事では、認知症の人に接する時の心得や絶対にやってはいけない対応についてお話していきます。

  • 認知症の人に対する3つの心得「3ない」
  • 認知症の人に絶対にやってはいけない7つの対応
  • 具体的な対応の5つのポイント
  • 困った言動の対応策

認知症の症状は、個性と同じように人それぞれですが、それでも症状に共通するポイントはあります。この記事では、その基礎となる部分を分かりやすく説明していきます。
最後までお読みいただくことで、どのような症状に対しても「最善な対応」を考え、実践することができるようになるでしょう。

【基礎知識】認知症の人への対応

まずは、認知症の人への対応で基本となる部分を見ていきましょう。
ここでは、以下の2つについて説明していきます。

  • 認知症の人と接する時の心得
  • やってはいけない7つの対応

認知症の人と接する時の心得は「3ない」

認知症の人と接する時は、次の3つの「ない」を心得ましょう。

  1. 驚かせない
  2. 急がせない
  3. 自尊心を傷つけない

出典:認知症サポーター養成講座標準テキスト(認知症サポーターキャラバン発行)

認知症の人は、記憶や物事を判断する「認知機能」が低下しています。そのため、何をするのにも「考える時間」が必要になり、どうしても動作が遅くなるのです。
ここでポイントとなるのが、「できない」のではなく「時間をかければできることもある」ということ。認知機能が低下していてもその時に抱いた感情はこれまで通り残っていますから、「早くして!」と急かしたり、イライラした態度で対応するのはやめましょう。
「どうしてできないの?」「やってあげるから!」などと、自尊心を傷つけるような対応は、信頼関係に影響します。信頼関係を損なうと、本人は心を閉ざし、さらに症状が進む可能性があるので気をつけましょう。

認知機能とは?

判断力・理解力・記憶力・計算力・言語能力などの、人間が持つ知的な機能の総称。
社会生活を送る上で重要な能力。

認知症の人に絶対にやってはいけない7つの対応

認知症の人に対して絶対にやってはいけないと言われている対応は以下の7つです。

  1. 叱る
  2. 命令する
  3. 強制する
  4. 子ども扱いする
  5. 行動を制限する
  6. 役割を取り上げる
  7. 何もさせない

認知症の人は実際のやり取りや事実関係は忘れてしまっても、その時の感情はしっかり覚えています。例えば、「夜中に家を抜け出した」ことは忘れても、家族から注意を受けた時の「怒られてとても嫌だった」というネガティブな感情はいつまでも残っているのです。
また、認知症の人は認知機能の低下でできないことがたくさんある一方で、体で覚えた技術(料理や裁縫など)は忘れにくいようです。
ですから、役割を取り上げたり行動に制限をかけすぎたりすると、「意地悪をされている」「嫌がらせだ」と受け止められ、精神的な苦痛を与えることになってしまいます。

認知症の症状の安定には、本人が落ち着いて生活できることが条件になります。本人に苦痛やストレスを与えないように心がけましょう。

具体的な対応の5つのポイント

ここでは、認知症の人への基本的な対応から「具体的にはどのような対応をすればいいのか」をお話していきます。

具体的な対応のポイントは以下の5つです。

  1. 余裕を持って対応する
  2. できるだけ1人で声をかける
  3. 見守ることも大切
  4. 優しい口調でハッキリ話す
  5. しっかり話を聞く

それでは順番にご紹介していきますね。

ポイント(1)余裕を持って対応する

認知症の人に対しては、常に余裕を持って対応しましょう。焦りや不安、苛立ちなどのマイナスの感情は、相手に伝わりやすいものです。相手を動揺させないためにも、自然な笑顔で接するように心がけましょう。

ポイント(2)できるだけ1人で声をかける

声をかける時は、できるだけ1対1で行いましょう。認知症の人は判断力や認知力が低下しているからです。複数の人が話しかけると混乱しやすくなりますし、恐怖心を抱かせる恐れもあります。

ポイント(3)見守ることも大切

認知症の人には、「できること」と「できないこと」があります。本人が「できる」と思って取り組んでいることを、家族が「無理ですよ」「時間がかかるから」などと理由をつけて取り上げてしまうのは控えましょう。認知症の人にも自尊心や感情がありますから、よほど危険なことでない限りは見守る姿勢が大切です。しばらく見守ってもできなかった場合は、自尊心を損ねないように「今回だけは私にやらせてください」などとお願いするといいでしょう。

ポイント(4)優しい口調ではっきり話す

認知症の人に限らず、高齢になると耳が聞こえにくくなるものです。ゆっくり・はっきり話すよう意識しましょう。はっきりとは明確に話すということです。「はっきり=大きな声」ではないので注意してください。

認知症の人の中には、大声や甲高い声に恐怖を感じる人もいます。できるだけ優しい口調で話しかけるといいでしょう。

ポイント(5)しっかり話を聞く

私たちは、自分の話をしっかり聞いてくれる相手に対して信頼感を持ちますよね。これは認知症の人も同じです。自分が話している時に途中で遮られたり、急かされたりするのは誰だって嫌なもの。認知症の人に対しても、急かさずに耳を傾けることが重要です。

話をしっかり聞いている証拠として、相手が話した言葉を使って確認していくと、認知症の人にも「自分は受け入れられている」と伝わりやすいでしょう。

こんな時はどうしたらいい?困った言動の対応策

最後に「どうしたらいい?」と困ってしまう言動の対応策をいくつかご紹介します。

やるべきことを忘れたり、いつも何かを探したりする

やるべきことを忘れたり、何か探していたりするようだったら、まずは「どうしたの?」などと優しく声をかけ、返事を待ちます。
「朝ごはんを食べていない」「財布がない」などと理由を話してくれたら、「そうですか」と受け止めて、一緒に手伝う姿勢を見せましょう。

理由を思い出せなかったり、言いたがらない場合には、無理に聞き出そうとせずに見守ります。

会話のつじつまが合わない

つじつまが合わなくても、話をよく聞いてあげることが重要です。急かしたり、質問したりするのではなく、あなたは「聞き役」に徹しましょう。適度に相づちを打つことで、相手は「自分の話をきちんと聞いてくれている」と考えます。あなたが発言する時には相手の理解スピードに合わせて、ゆっくりした話し方を心がけましょう。

急に泣いたり、怒ったりと感情の起伏が激しい

認知症になると感情の抑制がきかなくなり、喜怒哀楽の表現が大きくなります。深夜や早朝に大声で泣きわめくなど、他人に迷惑になる時以外は、思う存分、感情表現をさせましょう。

泣いている時にはそっと寄り添う姿勢を見せ、怒っている時には演技でも「ごめんなさい」と謝ると、興奮がおさまりやすくなります。

身近な人を責めたり、暴言を吐いたりする

認知症の症状は、身近な人に対して強く出る傾向があります。介護に  いちばん熱心な人に暴言を吐いたり、ワガママを言うのは信頼の証です。
このことを理解していても、実際にひどい言葉や態度をとられると、つらいものがありますよね。
ひと通り話をさせ、興奮が落ち着いてきたら「もう夕刊きたかな?」「今日の夕飯は何が食べたい?」などと話題を変えるのが最も良い対応です。注意がそれると、怒りの感情がおさまることが多いので、上手にやり過ごしましょう。正論で言い返したり、無視したりすると、相手は意固地になりやすいのでやめましょう。

まとめ

この記事では認知症の人への対応についてお話しました。
認知症の人は、認知機能が衰えていても感情面はとても繊細です。
「本人が何を求めているのか」を考え、本人がやりたいことができるように支援すれば、安心して暮らすことができるでしょう。

大切なのは、認知症の人が穏やかに暮らせる環境を整えることです。今回ご紹介した心得や対応のポイントを実践してみてくださいね。

参考:
認知症サポーター養成講座標準テキスト(認知症サポーターキャラバン発行)
認知症の9大法則 50症状と対応策(著者:杉山孝博)