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よくわかる介護の話

2021年4月7日

認知症予防は何歳から?
予防に効果的な生活習慣&やってはダメなこと

歳をとると誰もが認知症になる可能性がありますが、できることなら認知症にならずにいたいですよね。
「認知症の予防はいつから始めればいいの?」「どんなことをすればいいの?」と気になる方も多いのではないでしょうか?

残念ながら、現在の医学では認知症を完全に予防することはできません。しかし、認知症についての研究が進むにつれて、認知症になりにくい生活習慣や食生活などが明らかになってきています。

今回の記事では、WHO(世界保健機関)が発表した「認知症予防ガイドライン」をもとに、私たちが取り組みやすい予防法を解説していきます。

認知症予防は何歳から始めるべき?

一般に、「脳の老化は40代後半から始まる」と言われています。実際に、うっかりミスが多くなったり、もの忘れを自覚するのはそれくらいの年齢が多いようです。

認知症の発症リスクを抑えるなら、早いうちから対策をとっておくのがいいでしょう。

アルツハイマー型認知症の発症原因となる物質は、発症のおよそ20年前から蓄積し始めるとされています。ですから70歳で発症した場合は、50歳から発症原因の物質がたまり始める計算になります。認知症は持病や生活習慣によっても発症リスクが高まることから、40代後半で認知症予防をはじめても決して早すぎることはありません。

認知症予防のために実践したい5つのこと

まずは、認知症予防に効果的な6つの取り組みをご紹介します。

ポイントは「人とのかかわり」「運動」「食事」です。実践できそうなものから試してみてくださいね。

1.外に出る機会を増やす

歳を重ねるにつれ、つい外出が億劫になりがちですが、自宅にこもりきりになってしまうのは健康的ではありません。運動不足になりやすいだけでなく、生活に刺激がないことから、認知症の発症リスクが高くなります。

外に出る機会を増やすと、その分だけ運動不足が解消でき、非日常の刺激を受けます。非日常といっても、何か特別なことをする必要はありません。近所を散歩したりコンビニで買い物をするだけでもOKです。

もし家族が「1日1回も外に出ない生活」を送っているのなら、声をかけるなどして外出の機会を作ってあげるといいでしょう。

2.人と話す機会を増やす

会話は脳と口を動かすトレーニングでもありますから、誰とも会話をしないと認知機能が低下する恐れがあります。

ひとり暮らしの人の中には「1日中、誰とも会話をしない生活」を送っているケースもあります。会話の相手は友人や知人に限らず、近所の人との挨拶やスーパーの店員さんとの簡単なやり取りでもいいでしょう。会話の長さや内容の深さよりも、「直接会話したかどうか」が重要です。

同居していても、ほとんど会話のないシニア夫婦も増えてきています。それとなく、近所の人や友人との会話を促し、それが難しいようなら定期的に電話を入れて会話するようにしてみましょう。

3.生活習慣病を予防・持病を治療する

糖尿病や高血圧症などの生活習慣病は、認知症を引き起こす原因の一つと考えられています。
そのため、生活習慣病にならない生活を送ること、生活習慣病を治療することが認知症予防になります。

また、何らかの持病がある人も注意が必要です。体調不良をきっかけに、認知症が発症するケースもあります。

中には「薬に頼るのはイヤだ」「持病はあっても元気だから大丈夫」と治療を拒む人もいますが、これはNG。処方薬はきちんと飲みましょう。定期的な診察・治療を受けることは、認知症の予防につながります。

認知症につながりやすいと言われている主な生活習慣病・けが

  • 糖尿病
  • 脂質異常症
  • 高血圧
  • 脳卒中
  • 脳挫傷

4.聴力低下の確認と対策をする

誰でも歳をとると、耳が聞こえにくくなります。しかし聴力低下を放置すると、認知症リスクが高まり危険です。脳に入る情報が少なくなり、神経細胞の活動が衰えるからです。

この聴力低下による認知症リスクは、補聴器をつけることで回避ができます。

ただし、どんな補聴器でも良いわけではありません。人にとって、聞き取りにくい周波数が違うからです。ひとりひとりに合った補聴器を選ぶためにも、耳鼻科で調整してもらうことをおすすめします。

聴力が何歳で衰えるかについては、個人差が大きく、一概には言えません。早い人では、50代で補聴器が必要なほど、難聴が進行することもあります。

聴力が低下したままだと、認知症になりやすいだけでなく、日々の生活にも影響します。「何となく聞きにくいかも」と感じたら、耳鼻科の診察を受けるといいでしょう。

5.栄養バランスの良い食事

栄養バランスの良い食事は、認知症だけでなく生活習慣病予防にも効果的です。

WHOのガイドラインでは、認知症予防に最適な食事の例として「地中海食」が提案されています。地中海食とは、ギリシャやイタリアなど、地中海沿岸の国の伝統的な料理です。

地中海食の特徴

  • 肉よりも魚を多く摂る
  • 果物や野菜、豆類を多く摂る
  • 穀物は未精製のものが良い(玄米や全粒粉、オート麦など)
  • 乳製品、食塩、加工品、ファストフードは控えめにする

ただし、乳製品に関しては「欧米人は摂りすぎ、日本人は摂らなさすぎ」であることから、日本人は積極的に摂って良いとする見解が一般的です。

九州大学大学院が行った「久山町研究」では、認知症予防につながる食事として、以下のような結果が出ています。

認知症予防につながると考えられる食事

積極的に摂取するもの 控えめに摂取するもの
  • 大豆・大豆製品
  • 緑黄色野菜
  • 淡色野菜
  • 藻類
  • 牛乳・乳製品
  • 果物・果物ジュース
  • 芋類
  • 米類
雑誌やテレビのニュースなどで、「カレーが認知症を防ぐ」「柑橘類が認知症予防に良い」などと取り上げられることがありますが、それだけを食べれば良いというものではありません。食事は多様性とバランスが大切です。一度にたくさん食べるのではなく、バランスの良い食事を続けることで効果が期待できます。

認知症の予防につながる生活習慣

最後に、認知症予防につながる生活習慣と、やってはいけないNG生活習慣をご紹介します。

1. ガムを噛む

ガムを噛むことで脳の血流が良くなり、脳機能が活性化することから、認知症予防に良いとされています。歯周病や虫歯が認知症リスクを高めるという見解もありますから、口の中の健康にも気をつけましょう。

認知症予防の目的でガムを噛む場合は、キシリトールや合成甘味料のガムを選ぶのがおすすめです。

2. 30分以内の昼寝

高齢になると、どうしても眠りが浅くなりがちで、慢性的な睡眠不足に陥りやすいもの。睡眠が足りていないと認知症になりやすいので、昼寝の習慣をつけるといいでしょう。

特に30分以内の昼寝は、アルツハイマー型認知症予防に効果があるとされています。
ただし30分以上昼寝をすると、逆効果になります。30分以内に起きる自信がない人は、昼寝の前にコーヒーや紅茶などでカフェインを摂るといいでしょう。

3. 適度な運動

適度に体を動かすことで認知症リスクを減らすことができます。

ひと口に運動といっても種類はさまざまですが、WHOが推奨するのは有酸素運動です。有酸素運動とは、ウォーキング、ジョギング、エアロビクスなどのこと。「やりながら会話ができる程度」と考えましょう。

有酸素運動は少なくとも10分以上続ける必要があります。運動習慣がない人は30分程度の早歩きを週に3回行うことを目標にしましょう。

喫煙とお酒の飲みすぎはNG

認知症の発症リスクを高めてしまう生活習慣は、喫煙とお酒の飲みすぎです。
喫煙者は非喫煙者よりも、1.5~2倍も認知機能が低下しやすいだけでなく、生活習慣病やうつ病のリスクも高めます。いつまでも健康でいるためにも、もし喫煙の習慣があるなら、すぐに禁煙しましょう。

また、お酒の飲みすぎも認知症の危険因子です。アルコールをたくさん摂取すると、脳が委縮し、認知症になりやすいことがわかっています。高齢になると、若い頃よりもアルコールを分解する力も弱くなっていますから、できるだけ控えめを心がけましょう。

楽しんで生きることが一番の認知症予防!

この記事では、認知症予防に効果的な生活習慣をご紹介しました。
しかし、「これはしてはいけない」「あれもやらなければ」と考えると誰だって憂鬱になります。ストレスがたまると、そのストレスが認知症リスクを高めてしまい本末転倒です。

認知症の予防は「楽しんでできるか」「無理なくできるか」が重要。ここでご紹介したものすべてを完璧に実践できなくても、できることから始めてみましょう。