どんなメリットがあるの?
介護認定で受けられるサービスの種類と内容
介護で親子共倒れにならないためには、介護サービスを上手に活用したいものです。そのためには、介護認定の申請が必要なのですが、親世代は、「介護認定を申請する」=「自分のことができなくなった」「老人ホームに入らなければならない」と考える傾向があるのか、「自分でできるから大丈夫」と拒否する人も少なくありません。
せっかく介護保険料を支払っているのですから、必要なサービスは積極的に利用したいものです。今回の記事では、介護認定で受けられるサービスの種類と特徴、メリットについて解説していきます。
介護サービスは3種類|それぞれのメリット
介護サービスは多種多様ですが、以下の3つに大きく分類できます。
- 居宅介護サービス
- 施設サービス
- 地域密着型介護サービス
それぞれのメリットは次のとおりです。
1.居宅介護サービス |
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2.施設サービス |
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3.地域密着型介護サービス |
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3種類のサービスについて、それぞれ内容を詳しく解説していきます。
【居宅介護サービス】種類とサービス内容
居宅介護サービスは、自宅にいながら身体介護などのサービスを受けたり、日帰りで施設を利用したりするものです。居宅介護サービスは以下の5つに分類できます。
- 訪問系サービス
- 通所系サービス
- 短期滞在系サービス
- 居住系サービス
- その他
1.訪問系サービス
訪問サービスは、自宅で受けられる介護サービスのことです。
ホームヘルパーなどが自宅を訪問し、身体の介護や生活の援助を行います。
種類 | サービス内容・特徴 |
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訪問介護(ホームヘルプ) | 訪問介護員(ホームヘルパー)が身体の介護や生活の援助を行う |
訪問入浴介護 | 看護職員と介護職員が利用者の自宅に訪問し、持参した浴槽で入浴介助を行う |
訪問看護 | 看護師などが利用者の自宅に訪問して、健康チェックや床ずれ予防・処置などを行う |
訪問リハビリテーション | 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが利用者の自宅を訪問して、リハビリ訓練を行う |
居宅療養管理指導 | 医師や歯科医師、薬剤師などが自宅に訪問し、療養上の管理や助言などを行う |
2.通所系サービス
施設に日帰りで通い、ケアやリハビリを受けるサービスです。
利用者の外出機会、介護者の負担軽減に役立ちます。
種類 | サービス内容・特徴 |
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通所介護 (デイサービス) |
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通所リハビリテーション (デイケア) |
介護老人福祉施設や病院などへ通い、食事や入浴などのほか、リハビリ訓練を行う |
3.短期滞在系サービス
自宅での介護が一時的に難しくなったときなどに、施設に宿泊できるサービスです。
受けられるサービスは、身体介護や医療ケア、リハビリなどですが、施設によって異なります。
種類 | サービス内容・特徴 |
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短期入所生活介護 (ショートステイ) |
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短期入所療養介護 (医療系ショートステイ) |
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4.居住系サービス
都道府県などが指定した有料老人ホームなどの特定施設に入居して受ける介護サービスです。
施設で生活しますが、「入居している施設の部屋=居宅」とみなされているため、居宅介護サービスに分類されています。身体介護サービスや生活介助、機能訓練などが受けられます。
特定施設入居者生活介護 | 自治体から指定を受けた有料老人ホームなどで、リハビリやレクリエーションが受けられる ※家賃や光熱費、食費、オムツ代などの費用が別途必要 |
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5.その他|福祉用具貸し出しなど
種類 | サービス内容・特徴 |
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居宅介護支援 |
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福祉用具貸与 | 車椅子や特殊ベッドなどの福祉用具が借りられる |
特定福祉用具販売 | ポータブルトイレや入浴用のイスなどを保険適用で購入できる |
住宅改修費支給 | 家をバリアフリー化する工事費用が20万円まで保険適用となる (例:手すりの設置、段差の解消など) |
【施設サービス】種類とサービス内容
種類 | サービス内容・特徴 |
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介護老人福祉施設 |
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介護老人保健施設 |
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介護療養型医療施設 ※2024年3月末で廃止予定 |
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介護医療院 |
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【地域密着型介護サービス】種類とサービス内容
地域密着型介護サービスは、市町村指定の事業者が提供するサービスです。高齢者が認知症や要介護状態になっても、住み慣れた地域で生活できるように創設されました。
原則として、サービス事業者と同じ市町村に住民票がないと利用できません。施設の規模が小さく、利用者のニーズにも柔軟な対応が期待できます。
地域密着型サービスは在宅介護の人向け、認知症の人向けなど、さまざまな種類があります。ここでは、以下の3つに分類して解説していきます。
- 在宅介護系サービス
- 認知症系サービス
- 施設入居系サービス
1.在宅介護系サービス
主に在宅介護の負担を減らすためのサービスです。
自宅にホームヘルパーなどが訪問して身体介護を行うものから、施設に一次的に滞在してケアが受けられるものまであります。
種類 | サービス内容・特徴 |
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小規模多機能型居宅介護 |
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看護小規模多機能型居宅介護 |
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夜間対応型訪問介護 |
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定期巡回・随時対応型訪問介護看護 |
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2.認知症系サービス
種類 | サービス内容・特徴 |
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認知症対応型共同生活介護 (グループホーム) |
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認知症対応型通所介護 |
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3.入所・居住系サービス
定員が29名以下の小規模な施設に入居して利用するサービスです。施設と同じ地域に住民票のある人だけが入居できます。
人数や利用者に制限はあるものの、利用できるサービスはそれぞれ特別養護老人ホーム、有料老人ホームなどとあまり変わりはありません。
種類 | サービス内容・特徴 |
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地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 |
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地域密着型特定施設入居者生活介護 |
※家賃や光熱費、食費、オムツ代などの費用が別途必要 |
持続可能な介護を目指すなら、介護認定申請をしよう
この記事では、要介護認定を受けた人向けのサービスをご紹介しました。
要介護認定で非該当とされた人でも地域ごとにいろいろと使えるサービスはあります。各自治体の担当窓口に相談してみましょう。
介護は終わりが見えない上に、つい頑張ってしまいがちです。持続可能な介護を目指すためにも、介護認定申請をし、利用可能なサービスを上手に活用しましょう。