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よくわかる介護の話

2021年1月5日

老人ホームに「入りたくない」と言われたときの対処法

「親に老人ホームを勧めてみたものの、入りたくないと言われ、それ以上の話ができなかった…」
こうしたケースは決して珍しいことではありません。

実際、ご家族から「本人が入居をためらっている」「老人ホームに入りたくないと言い張るのだが、どうしたらいいか」と老人ホームや施設に相談するケースは本当に多いそうです。

誰でも住み慣れた家、たくさんの思い出がある家を離れるとなれば迷うもの。特に高齢になってから生活を大きく変えることを不安に思い、ためらいを感じるのは当然のことではないでしょうか。

とはいえ家族としては、できる限り本人の気持ちに寄り添いながら、なおかつ具体的に老人ホーム入居の話を進めていきたいですよね。

今回の記事では、下記についてまとめました。

  • 老人ホームに入りたくない親(本人)と話し合う時のポイント
  • 「老人ホームに入りたくない理由」とその対処法

こちらの記事が皆さんの参考になれば幸いです。

老人ホーム入居について話し合う時のポイント4つ

老人ホームに入ることに難色を示す親と話し合う際は、以下の4つを心にとめておくといいでしょう。

  1. 本人の気持ちをすべて話してもらう(聴くことに集中する)
  2. 家族が本人の幸せを第一に願っていることを伝え続ける
  3. 具体的に老人ホームがどんなところか伝え、理解してもらう
  4. 家族以外の第三者からも話してもらう

また、入居への直接的なきっかけとなる「体験」も大事です。話し合いをしながら、短時間でもいいので、とにかく実際に老人ホームや施設を見学してもらうこと。百聞は一見にしかずということもあります。

話し合いのなかで本人の気持ちが和らいだときや関心を見せたときに、タイミングよく見学や体験に誘うといいですね。

では、話し合いのポイント4つを詳しく解説します。
 

1、本人の気持ちをすべて話してもらう(聴くことに集中する)

老人ホーム入居について切り出してみると、「いやだ、入りたくない」のひと言で終わってしまうかもしれません。

大切なのは「なぜ入りたくないのか」その理由をすべて話してもらうことです。「ここを離れたくない」とはよくある理由ですが、さらにその向こう側にひとりひとりの小さな、でも本人とっては大切で大きな理由があります。

いきなり「なんで? どうしてイヤなの?」と畳みかけても、本当の気持ちは聞き出せません。時間をかけて、いろいろな方向から話をしてみましょう。

老人ホームに入りたくない理由をすべて話してもらえたら、そのひとつずつを解決していけばいいのです。でも、なかなか本音にたどり着くのは大変ですし、焦って話すとお互いに感情的になってしまい、話がこじれてしまうことも…。

質問の仕方を変えたり、時には孫や他の身内から話してもらったり、あるいは第三者が入って気持ちを聞いてもらったりしながら、焦らずに話を聞き出したいですね。

2、家族が本人の幸せを第一に願っていることを伝え続ける

常に「お父さん・お母さんの気持ちが一番大事だ」ということを言葉にして伝えましょう。気持ちは言葉にしたほうがストレートに響きます。入居する本人の気持ちに寄り添うこと、共感をもって話し合うことはとても大切です。

いろいろな事情があり、老人ホームに入居してもらわないと本当に困る場面であっても、結果的に入居をしてもらうにしても、あるいはご本人の意思がすでに判断しづらいような状況だとしても、「家族として大切に思っていること」「気持ちを尊重していること」を伝えてあげましょう。

3、具体的に老人ホームがどんなところか伝え、理解してもらう

そもそも老人ホームがどんなところかを、実はあまりよく知らない・わかっていない、という部分も大きいです。老人ホームと聞いただけで「そこは歳をとって体が動けなくなった人が入る場所、自分をそんな年寄り扱いして」と不快な表情を見せることは、よくあります。

見学会やショートステイなどを利用して、実際の老人ホームを見ると気持ちが大きく動くことも多いのですが、なかなか最初は「見るだけだから」と誘っても、首をたてにふってくれないかもしれませんね。

まずは老人ホームのパンフレットを見せたり、パソコンやタブレットでホームの様子を動画で見てもらいましょう。動画は老人ホームの様子がわかりやすいですし、入居に乗り気でない人も「自宅で見るだけ」なので、最初のきっかけとして良い方法ではないでしょうか。

>>ALSOK介護の施設紹介動画を観る

4、家族以外の第三者からも話してもらう

愛情ある家族だからこそ、老人ホームを提案されると「自分を追い出そうとしている」「邪魔にされている」と反対に受け止められてしまうこともよくあることです。

もし周囲に老人ホームに入居している知り合いがいるのなら、一緒に面会に行って話を聞いてみるのも良い方法です。

また、入る老人ホームの目星がついているなら、実際に直接相談してみましょう。施設やホームでは「入りたくないと言われ困っている」という相談はよくあり、どのように話をしたらよいか、さまざまなノウハウをもっているので頼りになります。

老人ホームに入りたくない具体的理由と対処法

まずは下のアンケート結果を見て下さい。

上記は内閣府が行った「自宅で介護をうけたい理由」に関する世論調査の結果ですが、これは裏を返せば「老人ホームに入りたくない理由」とも受け取れます。

① 家を離れたくない
② 他人の世話になりたくない
③ 知らない人と共同生活することへの不安
この上位3つの理由についてそれぞれの対処法を考えてみましょう。

もっとも多い理由「家を離れたくない」のケースでは

  • なるべく家に近い環境の施設をさがす
  • 家を離れることを体験してもらう
  • 少しずつ慣れてもらう

思い出のある住み慣れた家を離れるのは、周囲が思う以上に、本人にとってとても大きな決断です。ですから、周囲は焦らずに本人の気持ちをたくさん聞いてあげながら、「家とは違うかもしれないけど、安心して暮らせる」ということを少しずつ伝えていきたいですね。

例えば、好きなお酒が飲めなくなる、大切にしているペットと離れたくない、川沿いの散策が好きだ、とご本人の離れたくない理由ひとつひとつを丁寧に聞き出し、それぞれ「健康管理上の問題がなければ、ある程度の飲酒はできる老人ホーム」「ペットと一緒に入れる老人ホーム」「川が見える老人ホーム」などと、離れたくない理由をひとつずつ解決できる老人ホームを探して提案してみましょう。

老人ホームに関心を持ってもらえれば、実際に短時間・短期間の体験を繰り返すうちに、すべての希望通りでなかったとしても「悪くないかも」と考えが変わってくることは実際に多くあります。施設のショートステイや試食会なども上手に活用してください。
 

「他人の世話になりたくない」と言われた時は

  • 「専門の人が生活や健康について支援してくれる」と説明する
  • 「家族ができることとできないこと」をある程度は伝えておく

老人ホームではたくさんの人が入居者をサポートし、手助けをしてくれます。

食事のサービスくらいならいいのですが、入浴や排泄のお世話となると「他人の世話になる」ことに抵抗感を覚える人もいます。

これを「他人の世話になる」と受け止めるのではなく、自分では大変になってきたことを手伝ってくれる、支えてくれる人がいる、と考えられるように話をしていきましょう。

たとえば、もし体調が悪化して病院に入院すれば、看護師さんが着替えから入浴まで付き添ってくれます。看護師さんは赤の他人ですが「看護のプロ」であり、安心してすべてを任せられます。

同じように介護の現場にいる人は「お年寄りの生活を支えるプロ」です。家族よりも安心して任せられる面も多いことを、少しずつ伝えてみましょう。

また、率直に、家族として自宅介護などでできることには限界があることを伝えてもいいと思います。その上で「でもお父さん、お母さんには長生きして楽しく暮らしてほしい」とさまざまな支援を常に受けられる老人ホームのメリットを伝えるといいですね。

「知らない人との共同生活」に不安があるときは

老人ホームを拒否する理由のひとつに「プライバシーがない」「やりたくもないレクリエーションに参加するのはイヤだ」という声も少なくありません。

共同生活といっても、なにも大部屋に住むわけではなく、個室があり、自分の時間・空間がきちんと確保されることも説明しましょう。

お願いすれば、老人ホームのレストランなど、一部の施設を体験させてくれるところも多いです。最初は家族も一緒に行ってレストランを利用する、家族で旅行に行っている間の一泊二日だけ施設で過ごしてもらうなど、なるべく抵抗感のない方法で老人ホームの体験を増やしていくといいですね。

自分の時間がある、プライバシーが守られている、とご本人自らが納得すれば、一歩前進です。
 

本人に寄り添いながら老人ホーム入居へと進めていきましょう

本人もどこかで老人ホームの選択肢を考えていても、家族から切り出されると「違う」「イヤだ」と思ってしまうケースはよくあります。

ご本人の考えが、なだらかに入居の方向へ進むように、焦らず話をしたいものですね。

「ひとりで家にいるより安心なのかもしれない」
「食事は思ったよりおいしかったな」

などと、老人ホームに親しみを感じたり、少しずつ気持ちも軟化すれば、老人ホームに入りたくない気持ちも変化します。

もうひとつ大切なのは、「家族の愛情」を言葉や態度でたくさん伝えることです。大切にされている、家族から敬愛されていると感じることができ、老人ホームに入っても親子の関係や家族の絆は途切れることのないものだと確信できれば、ご本人の老人ホーム入居に関する抵抗感は薄れていきます。

「こうしよう」といきなり提案するのではなく、まずは「その気持ちはよくわかるよ」と共感を示してみましょう。そして本人の気持ちに寄り添いつつ、「でも、老人ホームに入居するのもいいのかも」と本人が思える方向へ舵取りし、少しずつ進んでいけるといいですね。