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地域包括支援センターの4つの役割とは?相談できる内容や利用方法

親が高齢になると、介護や認知症など心配事が増えてきますよね。「誰かに相談したい」「いま困っていることがある」という人にぜひ利用してもらいたいのが、「地域包括支援センター」です。

地域包括支援センターは、高齢者のよろず相談所。高齢者にまつわる悩みや相談なら、何でも受け付けています。この記事では、地域包括支援センターで、「どんなことができるのか」「どのように利用するのか」を詳しく解説します。最後までお読みいただくと、地域包括支援センターについての理解が深まり、必要なときにすぐに利用できるはずです。

地域包括支援センターとは?

地域包括支援センターとは、高齢者の困りごとに関する相談を受け付けている無料の総合相談窓口です。高齢者やその家族の困りごとであれば、相談内容は問いません。病気から生活に関することまで幅広く受け付けています。ここで対応できない場合は、必要に応じて別の機関へつないでくれるのが特徴です。

地域包括支援センターは高齢者本人だけでなく、家族や親族、高齢者支援の活動にかかわっている人が利用できます。高齢者とは、65歳以上の人を指します。

地域包括支援センターは市区町村に設置されていますが、利用できるのは、高齢者本人が居住している担当センターに限られます。離れて暮らす親のことを相談したい場合は、親の居住自治体のホームページで確認するか、役所に電話して親の住所を伝えて、担当センターを教えてもらいましょう。

地域包括支援センターは自治体によって名称が異なることがある

地域包括支援センターは市区町村からの委託事業で、必ずしも役所の中にあるわけではありません。

名称も自治体によって、「長寿サポートセンター」(東京都江東区)、「高齢者あんしん相談センター」(埼玉県志木市)など、さまざまです。

ALSOK介護株式会社では、埼玉県志木市より業務委託され、高齢者あんしん相談センター「せせらぎ」「あきかぜ」の2つを運営しています。

地域包括支援センターの4つの役割

地域包括支援センターには、以下の4つの役割があります。

地域包括支援センターの4つの役割

  • 総合相談支援業務
  • 権利擁護業務
  • 包括的・継続的ケアマネジメント支援業務
  • 介護予防ケアマネジメント業務
1つずつ確認していきましょう。

総合相談支援業務

「介護費用の負担が大きく、心配」「認知症のような症状が出ているけれど、病院に行くのを嫌がる」など、高齢者にまつわる悩み・困りごとについて、幅広い相談に対応しています。

相談内容に応じて、適切な機関や制度、サービスにつなぎ、必要な支援を行います。
要介護申請や介護保険サービスなどは、案内だけでなく、手続きのサポートまでしてくれます。

権利擁護業務

高齢者が安心して生活するために、権利や財産に関連する権利を守る支援を行います。
高齢者を狙った詐欺や悪徳商法の被害相談や対応するのも、地域包括支援センターの業務の1つです。

判断能力が低下すると、金銭管理や各種手続きが難しくなります。
財産を不当な契約から守るために、成年後見制度の案内や手続きのサポートを行います。

また、高齢者虐待防止の取り組みも行っています。高齢者虐待については、高齢者本人だけでなく、近所の人などからの情報も受け付けています。

包括的・継続的ケアマネジメント支援業務

地域包括支援センターでは、ケアマネジャー(介護支援専門員)に対する日常的な指導、相談、アドバイスを提供しています。

ケアマネジャーは、介護保険サービスを利用したい人とそのサービスを結びつける専門家です。ケアプランの策定やケアマネジメントを行いますが、個々のケースによって対応が異なるため、ケアマネジャーだけでは難しい場合もあります。そのようなときには、地域包括支援センターに所属する専門家に業務をサポートしてもらうことができます。

このほか、地域包括支援センターでは、ケアマネジャーの研修会、ネットワーク作りの支援なども行っています。

介護予防ケアマネジメント業務

地域包括支援センターでは、要支援・要介護状態になる可能性がある人に向けて、介護予防サービスを提供しています。対象となるのは、要介護認定で「要支援1または2」の判定が出た人です。介護予防につながるサービスについて、本人と話し合って「介護予防ケアプラン」を作成します。

また、要介護認定で「非該当」と認定された人や、「要介護認定を申請していないが関心がある」人を対象とした、介護予防に役立つ教室なども開催しています。

地域包括支援センターで相談できる内容

地域包括支援センターでは、高齢者本人やその家族が「困っていること」であれば、どのような内容でも相談可能です。

地域包括支援センターで相談できる内容(一例)

  • 生活で困っていることや心配なこと
  • 高齢者を介護している家族が受けられる支援について
  • 介護保険の手続きについて
  • 高齢者が利用できる福祉サービスの紹介
  • 認知症の疑いについての相談  

とはいえ、第三者に相談するのは、なかなか難しいことかもしれません。
「きちんと説明できるか自信がない」「こんなことを相談してもいいのだろうか」などと不安になることもあるでしょう。

しかし、大切なのは、「本人(または家族)が困っている」と伝えることです。
ここでは、社会福祉士や保健師、主任ケアマネジャーなどの資格を持つ職員が専門性を活かして相談に乗ってくれ、どうすればいいのかを一緒に考えてくれます

もちろん、相談内容や知り得た情報などは外部に漏れることはありません。困りごとや不安なことなどあれば一人で抱え込まず、地域包括支援センターで相談するといいでしょう。

地域包括支援センターを利用する方法

地域包括支援センターを利用する際は、なるべく事前に電話で問い合わせ、相談の中身を簡単に伝えておくといいでしょう。あなたの悩みに最適な職員が対応できるように、調整してくれるからです。もちろん、直接訪問しても受け付けてもらえますが、すぐに相談に応じてもらえない可能性があります。

相談時は、困りごとや悩みを具体的に記したメモを持参するといいでしょう。相談内容が具体的なほど、どのような支援(サービス)が必要か判断しやすくなるからです。
このときに、介護保険証や印鑑、マイナンバーカード、診察券(医療機関や主治医の名前)を持参すると、さまざまな制度やサービスの手続きをスムーズに行えます。

高齢者の困りごとは個人で抱え込まずに、早めに相談を

地域包括支援センターでは、高齢者の困りごとであれば、どんなことでも相談できます。
一人で抱え込まずに早めに相談することで、必要な支援に最短でつながれる可能性が高くなります。地域包括支援センターをうまく活用して、介護負担を少しでも減らしましょう。