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介護ロボットとは?
見守りセンサーを中心に解説します!

介護ロボットとは

まず、「介護ロボット」と聞いて思い浮かべるのはどんなイメージでしょうか?「ロボットが人間職員に代わって介護してくれる?」
「AIが自動で判断し対応してくれる?」などの想像が膨らみますが、現実は少しことなります。
 介護ロボットという定義が少しご利用者様にとって分かりにくい部分ですので、順を追ってご説明致します。
まず「ロボット」とは一般的に「情報を感知、判断し動作する」と定義されていますが、介護ロボットについては大きく5つの分野に大別されます。「移乗支援」「移動支援」「排泄支援」「見守り・コミュニケーション」「入浴支援」などです。
例えば移乗支援については、介護職員がパワーアシストする機器を装着し移乗支援をすることで、介助時の負担からくる腰痛などの軽減に寄与します。

見守りセンサーについて

では最近、入居系施設の居室に整備がすすむ「見守りセンサー」はどういったものなのでしょうか?いくつかの代表的な製品の特長を中心にお伝えします。
 様々な機器の種類がありますが、大別すると「マットセンサータイプ」と「カメラタイプ」があります。前者であるマットセンサータイプでは「睡眠状態」「起床/離床」「心拍/呼吸/体動」のセンサー情報を取得する仕組みです。異常値があった場合、連動するナースコールが知らせてくれます。睡眠状態がセンサー情報で把握できることで、不必要な訪室ケアの削減、中途覚醒のタイミングが把握できることで適切なタイミングでの排泄支援などの効果が期待できます。
 カメラタイプは居室内の様子が離れた場所からでも把握ができるメリットもありますが、ご利用者様及びご家族様からプライバシーの面で憂慮されるケースも少なからずあります。機器によっては画像があえて鮮明にならない「シルエット画像」タイプの製品もございます。

夜勤帯介護職員の負担について

そもそも、なぜ見守りセンサーが注目されるのでしょうか?その要因は夜間帯の介護職員の負担にあります。
サービス種別によって若干の違いはございますが、職員1人あたり2ユニット(およそ20人)を夜勤帯で対応する勤務体制の介護施設が大半です。定期的な訪室ケア、ナースコール発報時の対応、排泄ケアなど業務は多岐にわたり且つ職員1人でこなさなければならない体力的精神的負担が大きな問題となっています。経験にもよりますが、昼間の時間帯と異なり、何かあっても相談できる人が身近にいない精神的不安が一番おおきいのでは?と推察しています。
 夜間帯勤務の負担が原因で退職する職員が出ることで、残された職員の負担が更に増す悪循環をなんとか改善したいと願う介護施設経営者がほとんどではないでしょうか?

見守りセンサー導入のメリット

人件費の問題もあり、法律で定められた配置基準以上の勤務体系もむつかしく、夜勤者の負担を軽減する目的で導入がすすんでいるのが見守りセンサーです。
 睡眠状態が把握できることで、不必要な訪室ケアの削減(=必要な訪室ケアに専念できる)や、起床状態を検知することで、離床時の転倒防止に役立てるなどセンサーが果たす役割は大きいと言えます。

今後の展望について

見守りセンサーの導入については全施設の内、約1割ほどと言われており、これからも導入はすすむものと思います。見守りセンサーとナースコールの連動は基より、インカムや介護記録システムとの連動もすすんでおり、ここでもICT化による業務削減が見込まれます。
 夜勤の業務負担が原因で離職を決断するなど、貴重な人材を失わないため、ある程度、導入コストはかかるものの、労務環境改善のために積極的に投資する姿勢の介護施設が結果として、人材定着の安定化からくる「質の高いサービス提供」実現につながっていると感じています。

執筆者プロフィール

& Consulting Firm 代表 沖本 崇(静岡市)

前職、介護ソフトメーカーにて営業企画及び広報活動を主に従事。
各業界団体依頼のセミナー講師対応、業界紙の連載コラム記事執筆などに携わる。
2022年5月に独立起業し、介護事業所向けの「ICTに特化したコンサル支援」を中心とし、各業界団体依頼のセミナー講師対応のみならず、静岡県の訪問相談事業業務(※)ほか多数の 公益事業に専門家として対応。生産性向上と業務革新が注目される介護業界において、ICTを中心とした具体的な内容で解説できるエバンジェリストとして、業界有識者をはじめ介護業界全体で注目されている。