事前準備が大切!
老人ホーム見学時にチェックすべき5つのポイント
老人ホーム選びで欠かせないのが施設の見学です。実際に足を運ぶことで、パンフレットやホームページなどからはなかなか得られない情報や雰囲気を知ることができます。
一方で、限られた時間で「入居する本人が快適に暮らせるか」「本人や家族にとって最適なホームか」を見極めるのは案外難しいものです。「見学したのによくわからなかった」という最悪のケースを防ぐためには、事前準備とチェックポイントを押さえておくことが大切です。
そこで今回の記事では、老人ホーム見学で後悔しないための情報をまとめました。印刷可能なチェックリストもありますので、見学時にぜひお役立てくださいね。
老人ホームの見学は事前準備が大事
老人ホーム見学で後悔しないためには、事前準備をしっかり行うことが重要です。
何も準備せずに見学に行くと、チェック漏れがあったり、ただ説明を聞いて終わってしまったりということがあります。これではあまり意味がありません。
事前準備は見学の質を大きく左右しますから、きちんと情報を整理しておきましょう。
準備1:誰が見学に行くのか決める
見学者はあらかじめ決めておきましょう。見落としがないように、できるだけ複数人で行くことをおすすめします。ただし、大人数での訪問はNG。人数が多いと意見が分かれてトラブルの原因となることがあります。
見学者は、入居予定者(本人)とその配偶者または子供を含めて合計2~3人が理想です。
この時に重要なのがキーパーソンを決めておくこと。キーパーソンはすべての見学に同行し、ホーム選びの中心となる人です。「時間に余裕がないから」と、家族で手分けをして複数のホームを見学すると入居施設を決めにくくなるので気をつけましょう。
できれば早い段階で本人が見学できればいいのですが、健康上などの理由で叶わないこともありますよね。その場合でも入居前に本人と一緒に見学し、意思の確認をしましょう。
準備2:確認したい点・気になる点をまとめる
見学前に必ず資料やパンフレットを読み込んでおきましょう。
中には「見学時に説明を受けるからパンフレットは見なくてもいい」と考える人もいるのですが、これはあまりおすすめできません。
なぜなら限られた時間の中で効率良く情報を得るためには、予習が重要になるからです。
パンフレットを読んで気になる点や確認したい点をまとめておくと、見学時に慌てることがありません。
老人ホーム見学でチェックすべき5つのポイント
老人ホームの見学では、次の5つのポイントを必ずチェックしましょう。
- 費用
- 施設の雰囲気
- 設備や周辺環境
- 医療機関との連携
- 退去となる条件
それぞれ詳しく解説していきます。
1、費用
トラブルに発展しやすいのが費用についてです。
入居時にかかる費用や基本料金に含まれる内容などは、ホームによって異なります。そのため、必要な費用やその内容、別料金になるものなどをしっかり確認しましょう。
▼費用面でチェックすべきポイント
- 入居一時金の有無
- 月額費用の概算
- 月額費用に含まれるもの
- 別料金になるもの(内容と費用)
- 退去する際の返金額など
2、施設の雰囲気
施設の雰囲気は見学時にしか確認できません。入居者が心穏やかに過ごせるホームは、柔らかく温かい雰囲気に包まれているものです。
スタッフや入居者の表情から「どんなホームなのか」が見えてきますので、失礼にならない程度に目を向けるといいでしょう。
▼施設の雰囲気
- ホームの第一印象は?
(アットホーム・明るい・華やか・暗い・静か・その他 ) - 入居者の雰囲気
(笑顔が多い・落ち着いている・明るい・暗い・静か・その他 ) - スタッフの雰囲気
(笑顔が多い・明るい・イライラしている・暗い・その他 ) - 施設全体の様子
(アットホーム・明るい・華やか・暗い・静か・その他 )
3、設備や周辺環境
施設内の設備や周辺環境は、「本人が過ごしやすいか」「家族が面会しやすいか」という2つの視点でチェックしていきます。周辺環境についてはスタッフから細かな説明を受けるのは難しいところがあります。予約時間よりも早めに到着して、先に周辺を散策しておくと、不明点・気になる点だけに絞って質問ができます。
▼設備
- 清掃が行き届いているか
- 居室スペースは十分確保されているか
- 必要な設備はあるか(機能訓練室・大浴場・食堂・その他 )
- 共用スペースはあるか
▼周辺環境
- 最寄り駅からホームまでの距離
- 駐車場の有無
- 送迎バスの有無
- 家族がアクセスしやすい場所にあるか
- 周辺に危険な場所はないか
- 近くに散歩できる場所はあるか
- 施設周辺の雰囲気
(自然豊か・明るい・暗い・静か・その他 )
4、医療機関との連携
老人ホームに医師は常駐していません。そのため、どのホームも複数の医療機関と協力関係を結んでいます。老人ホームで受けることのできる医療サービスは、健康管理と緊急対応が基本です。何かあった場合には外部の医療機関を受診することになります。
高齢者の方は持病がある人も多く、常に薬の処方が必要なこともありますよね。定期的に通院が必要な人もいるでしょう。協力医療機関は重要事項説明書に記載されていることが多いのですが、最低でも以下の4つについては確認しておきましょう。
▼医療機関との連携
- 協力医療機関(診療科目・医療機関の場所・協力内容)
- 協力医療機関に診療科目がない場合の対応
- 入院の場合は協力医療機関にできるのか
- 通院が必要な場合の通院介助料金
5、退去となる条件
老人ホームには退去となる基準があります。この基準はそれぞれの施設によって異なるため、注意が必要です。突然退去となると「終の住処として入居したので、引き取れる環境にない」「今さら別の施設を探すのは大変」と困ってしまいますよね。いざという時に慌てないためにも、しっかり話を聞いておきましょう。
<退去となる例>
- 嚥下機能の低下で食事がとれなくなった
- 病気が悪化して入退院を繰り返すようになった
- 他の入居者とのトラブルなどで共同生活に支障が生じた
- 利用料金の滞納が続いた
▼退去の条件
- どんな場合に退去となるのか
- 入院は退去になるか
- 最近退去した人の退去理由は?
老人ホーム見学のマナーと注意点
最後に老人ホーム見学のマナーと注意点をおさえておきましょう。
予約なしの見学はNG
老人ホームを見学する時は必ず予約を取りましょう。
中には「予約しない方が本来の雰囲気が見られるのでは?」という人もいますが、これはおすすめできません。
老人ホームのスタッフはそれぞれ自分の仕事をしており、見学者の対応ができないこともあります。また見学はできても、担当者や責任者が不在で詳しい説明が受けられないということも少なくありません。予約なしでの見学はデメリットが多いので、必ず予約を取って見学しましょう。
不明点は必ず質問する
「よくわからないけど、まあいいか」と不明点をそのままにすると、いざ施設を選ぶ時に「あれ、どうだったっけ?」と困ってしまいます。不明点はその場で解決しておかないと、再び問い合わせることになりますし、あとから「こんなはずではなかった」と頭を抱えることになるかもしれません。
できるだけその場で解決するのがベストなのですが、時間切れだったり、あとから疑問点が出てきたりすることもあります。そんな時のために、問い合わせ方法を確認しておくといいですね。問い合わせはメールが良いのか、電話ならいつの時間帯だと都合が良いのか聞いておくと、連絡しやすいでしょう。
入居者への配慮を忘れない
老人ホームは入居者にとって自宅と同じ大切な場所です。見学は「みなさんの自宅にお邪魔させていただいている」という意識を持ち、入居者の迷惑にならないよう心がけましょう。当たり前ですが入居者に勝手に話しかけたり、個人の居室に入ったりというようなことは絶対にしないでください。施設内の写真を撮影したい場合には、必ず許可を取ってからにしましょう。
後悔しないためには、納得がいくまで説明を受けましょう
老人ホーム選びで後悔しないためには、「見学時にどれだけ情報を集められるか」がポイントになります。不明点や気になる点は、納得がいくまで質問しましょう。見学のタイミングによっては、食事やレクリエーションが見られることもあります。入居候補のホームであれば、時間帯を変えて再見学してもいいかもしれません。
ただ、先ほどもお伝えしましたように、老人ホームは入居者にとっては自宅のような場所です。見学時にはマナーを守って、お互い気持ち良く過ごせるような配慮を心がけましょう。
見学時の持ち物やチェックリストはこちらからダウンロードできます。ぜひ印刷して見学時に持って行ってくださいね。みなさんが希望の施設と巡り合えることを祈っています。