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お知らせ

2026年3月25日

NEWS LETTER : 「食事はイスで。」“あたりまえ”を守り続ける文化と誇り~グループホーム みんなの家・横浜小机~

当社の介護現場における生産性向上とお客様の「自分らしい生活」の実現に向けた取り組みを、本社社員による取材形式で紹介してまいります。

■ はじめに

食事の時にイスに座る。

それは、介護を知らない人にとっては、あまりにも“あたりまえ”のことかもしれません。

だからこそ、「それを徹底している」と聞いても、最初はその価値が伝わりにくいかもしれません。

けれど介護の現場では、その“あたりまえ”を守り続けることは、決して簡単ではありません。

身体状況の変化、介助の手間、安全面への配慮、日々の忙しさ。

さまざまな事情の中で、食事が“ただ食べてもらう時間”になってしまうこともあります。

そんな中で、「グループホームみんなの家・横浜小机」が大切にしてきたのは、

食事を済ませることではなく、その人がきちんと食卓につくことでした。

本来は誰にとっても“あたりまえ”であるはずの食事の姿を、介護が必要になっても諦めない。

その積み重ねの中に、このホームの静かな強さがあります。

その思いを、今回あらためて柊木ホーム長に伺いました。

はじまりは

Q.もともとどんなきっかけで「イス移乗を徹底しよう」と思われたのですか?

柊木ホーム長

前任のホーム長が「車イスは移動のための道具」という考え方を徹底していました。

スタッフはそれが“あたりまえ”として受け止めていて、私自身も、その“あたりまえ”を自然に続けているだけです。

受け継ぐということ

Q.そうはいっても、継続は簡単ではないと思いますが…

柊木ホーム長

私は良い考えをそのまま受け継いだだけなんです。良いものは、変える必要がありません。

“あたりまえ”を“あたりまえ”として続けることが、私たちの責任だと思いました。

Q.責任だけで続けられるものなのでしょうか?

柊木ホーム長

私自身も車イスに座って食事をしてみました。

「お腹もくるしい。姿勢も不安定。これでは食べられない!」という実感が、私にもあります。

そして何よりも、「食事を美味しく食べてもらいたい」という想いが大きいです。

イスで食べること自体は、特別なことではないのかもしれません。

けれど介護の現場では、その“あたりまえ”を毎日守るために、手間も配慮も技術も必要になります。

だからこそ、それを“あたりまえ”として続けていることに、このホームのすごさがあるのだと感じます。

徹底を形に

Q.継続していく中で、抵抗や迷いの声はありましたか?

柊木ホーム長

もちろんありました。忙しい時や介護度が重くなった時は、「やらなきゃいけませんか?」という声があがることもありました。

でも、その都度、みんなで体験し直すようにしました。実際に車イスに座って食事をしてみると、「これでは食べられない」と全員が実感するんです。

言葉よりも体験の方が、ずっと強い。

その積み重ねが、文化を守る力になりました。

Q.安全面への不安の声もあったのでは?

柊木ホーム長

確かに、車イスは移動中に落ちないように背もたれが後ろにやや倒れた「斜めの角度」になっています。座面もお尻が奥に沈み込むような構造になっています。

一方でイスは、立ち上がりやすさもあり、細かな配慮が必要になります。

だからこそ、職員が安心してケアできるように、東京研修所は遠いですが、できるだけ研修に参加してもらっています。

知識や技術を身につけて自信を持つことが、結果としてお客様の安全につながると考えています。

継続の先に見えたもの

Q.続けてきて、どんな変化を感じますか?

柊木ホーム長

お客様の姿勢が整い、表情がふっと柔らかくなるんです。

ご家族から「ありがたいです」と言っていただけることも多くあります。

美味しそうに食べてくださる姿を見る瞬間が、いちばん嬉しいですね。

未来へつなぐ

Q.今後伝えていきたいことは?

柊木ホーム長

やはり、何よりも「おいしく食べていただきたい」という想いが中心にあります。

これは特別な取り組みとは思っていません。

“あたりまえ”のことを、“あたりまえ”に続けたいだけです。

でも、その“あたりまえ”がこれからも守られ続けるホームでありたいと思っています。

また、「食べる」を支えるための一つとして、今はラクチュロースシロップの試行も始めています。

お客様がイスに座るだけで、食事がおいしくなる。

この“あたりまえ”が、もっと多くのホームの“あたりまえ”になり、一人でも多くの方が「おいしく食べられる時間」を過ごせるなら、こんなに嬉しいことはありません。

 

編集者まとめ

イスで食べる。

それ自体は、本来特別なことではありません。

誰にとっても、ごく自然な暮らしの一場面です。

 

けれど、介護が必要になったとき、その当たり前は簡単に失われてしまうことがあります。

だからこそ「グループホームみんなの家・横浜小机」が守り続けてきたものは、単なる“イス移乗の徹底”ではなく、

介護が必要になっても、その人を暮らしの中に置き続けることだったのではないでしょうか。

 

食事を済ませるのではなく、食卓につく。

その“あたりまえ”を、“あたりまえ”として諦めない。

そこに、このホームの誇りがあります。

 

「食事を美味しく食べていただきたい」という思いを、言葉だけでなく文化として守り続けている。

その静かな積み重ねに、深く心を動かされました。

 

この取り組みが、日々のケアの中で守りたい“あたりまえ”とは何かを、あらためて見つめ直すきっかけになれば幸いです。