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お知らせ

2025年12月3日

人とつながり、心で支える介護へ。  ALSOK介護 特定技能外国人フォローアップ研修 VOL.3

2025年11月19日、ALSOK介護東京研修所(東京都荒川区)にて、第3回目となる特定技能外国人フォローアップ研修を開催しました。この研修は、特定技能外国人の皆さんが介護福祉士資格の取得を目指し、長く日本で安心して働けるように支援することを目的としています。今回も、その努力の様子をレポートします。今回の参加者も第1回・第2回と同様、インドネシア出身の17名。テーマは、「コミュニケーション力の向上」と「認知症の方への理解と対応」の2点です。

テーマ①:「日本語であそぼ」~コミュニケーション力の向上

介護福祉士の資格取得には、高い日本語能力が不可欠です。日常会話はできても試験や専門的な現場対応には、さらに表現力・理解力を高める必要があります。そこで今回は「楽しみながら学ぶ」をコンセプトに、以下の3つのゲームを取り入れました。

・ しりとり

・ ゼスチャーゲーム

・「私はだれ?」ゲーム

最初は「しりとり」からスタート。単語を思い出す力や考える力を養うことが狙いです。初めての体験ながら皆さん真剣に考え、思った以上に長く続きました。次に行ったのは「ゼスチャーゲーム」。「おふろに入る」「車いすに移る」など、介護の現場でよく使う動作を、言葉を使わず身体表現だけで伝え合います。相手にどうしたら伝わるかを工夫しながら、会場は笑顔と真剣な表情に包まれていました。

最後は「私はだれ?」ゲーム。背中に貼られた言葉を、自分では見えないまま質問によって当てていきます。答える側は「はい」「いいえ」のみでヒントは出しません。「ベッド」「テレビ」といった簡単なものから、「リハビリパンツ」「シルバーカー」などの難しい言葉まで用意され、一番最後まで残ったのは「クローゼット」。何度も首をかしげながらも、諦めずに質問を続ける姿に、周囲の研修生たちも自然と集まり、声援を送り始めます。そして、ついに正解にたどり着いた瞬間、会場は大きな拍手と歓声に包まれました。

テーマ②:「認知症の方の心理的理解と対応」

研修の後半では認知症を正しく理解し、どのような気持ちで日々を過ごしているのか、そしてどのような関わり方が大切なのかを学びました。認知症とは脳の働きが低下し、日常生活の中でさまざまな困難が生じる状態を指します。そのため言葉が出てこなかったり、今いる場所や状況がわからなくなったりすることがあります。そうした状況の中で、認知症の方は**孤独感・混乱・不安・恥ずかしさ**といった気持ちを抱えているのです。

研修生全員が、その気持ちを自分ごとのように受け止めていました。慣れ親しんだ母国を離れ、言語や文化、生活習慣の異なる日本で懸命に働いている皆さんにとって、「不安」「孤独」「戸惑い」は決して他人事ではありません。だからこそ、講義の中で強調されたのは、

* 人と人としてつながること

* 同じ目線で話すこと

* 一緒に考え、一緒に行動すること

* 相手のペースを尊重し、結論を急がずに待つこと

こうした姿勢の大切さでした。ここで、研修前半に行った「ゼスチャー」などのコミュニケーションが生きてきます。言葉でうまく説明できなくても、動きや表情、視覚的な伝え方によって気持ちに寄り添うことができる——そのことを体感しながら理解していく時間となりました。認知症の方について学んだ後、研修生たちは

「介護は、心と安全が大切」

「お客様に間違ったことをしないように、もっと頑張りたい」

と、力強く語ってくれました。

9月からスタートしたフォローアップ研修も、今回でいったん終了となります。講師からは、

「最初よりも、皆さんの日本語は大きく成長しました」

「難しい課題でも誰一人取り残さず、全員でやりきろうとする姿勢が素晴らしい」

と、感慨深い言葉が贈られました。

研修はひと区切りとなりますが、本当の意味での挑戦はここからです。介護福祉士資格の取得に向けた勉強は、これから本格的に始まります。試験勉強も実務も、決して簡単な道のりではありません。しかし強い絆で結ばれたこのメンバーなら、きっと全員がその目標を達成できると、私たちは信じています。