自宅介護をラクにする便利グッズを教えて!
【みんなの体験談から】
自宅で介護をしている皆さんに「便利だなと実感しているグッズや道具を教えてください」とお伺いしました。
寝たきりの場合、半身が不自由な場合、ある程度はひとりでできるが生活全般に手助けは必要な場合など、介護の状況は人それぞれ違います。
ただ共通していたのは「介護する人の負担が減るような道具」や、「介護される人が快適にすごせるようなグッズ」を上手に活用していることです。
この記事ではさまざまな便利用品を紹介していきますので、自宅で介護をしている皆さんにとって、またこれから自宅で介護をする方々にとって、体験者の声が参考になればと思います。自宅介護で便利なグッズ7選
まずは自宅の介護で「これは本当に便利」と複数の人が回答してくれたグッズや道具を紹介します。実際に介護をしている皆さんの個人的な感想も含まれていますが、「わが家の場合ならどうだろう」と比べながら検討してみてくださいね。
1. 床ずれ防止マット
2. 配線不要のコールボタン
3. 介護用食事エプロン
- 汚れを拭き取れる撥水性のある食事用エプロンを使っています。(本人が)かなり大柄なので、大きめを選んで正解でした。男性用にチェックのダークカラーを選んだら父も「前の赤い花のやつはすごくイヤだった」と……確かに利便性が重要ですが、気分のこともありますから単に安いというだけでなく、介護される人が気に入るものを選んだ方がいいです(Eさん)
- 使い捨てのタイプを使用しています。ちょっとお金はかかりますが、介護ではとにかく洗うものが多く洗濯が大変ですから、便利さや手間を買っていると割り切って使い捨てを利用しています(Yさん)
こちらも参考までに。
自分用の割烹着があるといい!
- 母は右半身が不自由なため、食事中も手伝うことになりますが、自分の袖口とか、胸のあたりとかが気づかぬ間に汚れることもよくあります。着替えることになると、またまた洗濯物も増えるし、そのままちょっと玄関へというときも汚れが気になって「ああ面倒くさい、また汚された」とつい思ってしまって……。こういう小さいことが積み重なるとストレスにもなるように思います。私は安い割烹着を使い回して、家族が対応してくれる時間は割烹着を脱いで「介護ではなく自分の時間」と区切るようにしています。(Nさん)
4. お薬カレンダー
- キッチンの冷蔵庫横の壁にかけられるクリアータイプのお薬カレンダーを利用しています。場所をとらず、目によく入るので忘れません。また薬を飲むときはキッチンからお水を持っていくので、場所的にも便利です(Sさん)
5. すいのみ
6. おむつ
- ひとりでトイレに行ける場合でもオムツは常備しておくと安心です。体調が急に悪くなりトイレまで行けない、間に合わないこともあります。またオムツは水をとても吸い込むので、ちょっとペットボトルでぬるま湯をかけて拭きたいといったときに、下にオムツを敷くとベッドやシーツが濡れません。自宅介護が始まったら、とりあえず1パックは購入しておいたほうが安心です!(Eさん)
- 母の洗髪で紙おむつを利用しています。
母を寝かせたまま洗髪をするので、ベッドを濡らさないよう、ビニールを敷いた上にお湯を入れた桶を置いて髪を洗っていたのですが、それでも水が飛び散るので困っていたところ、ヘルパーさんに大人の夜用おむつを頭の下に敷くといいと勧められました。大人用おむつ、特に夜用は吸水力に優れているので、他が濡れることなく洗髪が終わったら捨てるだけというのも便利です。 (Tさん)
7. 消臭剤
100円ショップ・業務用・家にあるもので自宅介護に便利なものは?
- 安いウェットティッシュなど大量買い
使い捨てられるウェットティッシュやキッチンペーパーは大量に用意しておくと助かります。今はネットで業務用を箱買いしています。ちょっとした汚れや掃除ではサッと拭いてパッと捨てられるものがいいです(Eさん) - ぼろ布
どうしても、何かをこぼしたり、床を汚したりしますし、とにかく介護すると「拭く」ことが多いです。それらをすべて洗濯するとなると干して戻すだけでも大変なので、ぼろ布はいくらあってもいいと思います。家にあるだけでは足りないし、タオルウエス(ウエス=汚れを拭く布のこと)や白ウエスなど販売もしていますが、私は親戚にも頼んで、ぼろ布を大小ふたつのサイズに切ったものを送ってもらっています。介護する家庭だけでなく、親族にも助けてもらう、こうして介護しているんだとわかってもらうためにも、お願いしてみるといいのではと思います。あとは地域の不用品譲り合いサイトなどでも取りに行けば無料というぼろ布が出ているので、それらを利用してもいいかも(Aさん)
- うがい用の受け皿(ガーグルペース)
まさかの100均に売っていました。サイズや形の合う合わないもあるので、まずは安いもので使用してみて、よかったものを介護製品専用のブランドで購入するといいかなと思いました。高いといっても1,000円以内のものですが、100均のよりもしっかりとしているし、カーブもちょうどよく、介護用にはそちらを利用しています。ちなみに100均のものは、子どもがよく吐くのでそちらで使用しています(Yさん)
- ストローキャップ
100均で売っているようなストロー付きのペットボトルにつけるキャップ。蓋が開けやすく、ひとりでもこぼさずに飲めるので便利です。外出時にも利用しています(Nさん) - 使い捨ての手袋
大変申し訳ないと思ったけど、どうしても義父の肌に直接ふれるのに抵抗感がありました。今はタオルで体を拭くようなときも使い捨ての手袋をつけています。介護は毎日続きます。自分が「イヤだな」と思わないですむような方法を選んだ方が結果的にお互いにいいのではと思っています(Eさん)
自宅の介護ではこんなグッズも活用しています!
- カセットレコーダー
昔、義父が買い集めた落語のテープがあるので、カセットテープも使えるレコーダーを4,000円くらいで購入しましたが、思った以上に喜んで聞いています。聞いている間は私もしばらく自分のことに集中できるのでホッとする時間ができました(Eさん) - 塗り絵
人によるとは思いますが、完全な寝たきりでないのであれば、何か集中できる手作業のものが見つかると助かります。うちのおばあちゃんは塗り絵が好きで、始めると1時間くらいやっています。ずっと話しかけられて同じことを何度も聞かれると、毎日のことですから介護する側もイライラが爆発しそうになります。本人が好きなことを見つけられると、しばらくはひとりで楽しんでくれるので、その間はかなり助かると思います(Wさん)
介護の負担を減らす工夫でみんなの気持ちをラクに!
今回、取材に応じてくれた一人の方がこうおっしゃっていました。
「自宅での介護は、少しずつ、自分でも気づかない間に自分の中に不満や疲労がたまっていくことが一番の問題なんです。お金で解決できることは解決すればいいし、人の手を借りられるものは借りたらいいし、便利なものがあればどんどん使ってみればいい。自分の時間を確保できるように、たとえ少しでもイヤだなと思うことが減るように、なんでも試してみたほうがいいんです」
介護する人の負担が減ることは、介護される人にとっても「気持ちがラクになる」ことにつながります。
そして、それでも自宅での介護が難しいと思ったら、ひとりで悩まずに周囲に相談しましょう。デイサービスやショートステイの利用、老人ホームへの入居を検討してもいいかもしれません。
介護にはたくさんの選択肢があることをどうか忘れずに、目の前の「ちょっと大変だなと思っていること」をひとつずつ解決していきましょう。