「紙の保険証」は使えなくなった!?マイナ保険証と資格確認書の違いを解説
2025年12月1日をもって、長年使い慣れた紙の健康保険証は廃止となりました。2026年3月末まで暫定的に使用できていましたが、4月以降は使用不可となっています。代わりに必要なのが「マイナ保険証」か「資格確認書」です。
「何がどう変わったの?」「資格確認書って?」と戸惑っている方も多いのではないでしょうか。このコラムでは、高齢の方や介護をするご家族にもわかりやすいよう、2つの証明書の違いとそれぞれの注意点を解説します。
紙の保険証は2025年12月1日まで|暫定期間も2026年3月で終了
長年使い慣れた紙の健康保険証が、2025年12月1日をもって廃止となりました。「手元にまだあるから大丈夫」と思っている方もいるかもしれませんが、2026年4月以降は医療機関の窓口での使用ができなくなっています。変更の流れをまとめてみましょう。
- 2025年12月1日:全ての従来の健康保険証が廃止
- 2025年12月2日以降:「マイナ保険証」または「資格確認書」の提示が必要
- 2026年3月末まで:経過措置として紙の保険証を暫定的に使用可(一時的な措置)
- 2026年4月以降:紙の保険証は使用不可
転職や引越しによって保険の加入先が変わった場合でも、新しい紙の保険証は発行されません。
マイナ保険証がなかったら医療費全額払うの?
マイナ保険証や資格確認証が手元にない場合でも、必ずしも医療費を10割負担するとは限りません。多くの医療機関では、当日に通常の自己負担(例:3割)のみ支払えば受診できます。
もし、資格確認ができない医療機関で一時的に全額支払った場合でも、「療養費支給申請」を行えば、自己負担分を除いた差額が返金されます。
いざというときに慌てないためにも、今のうちに手元の証明書の種類と有効期限を確認しておくことをおすすめします。
次は新しい仕組みの中心となる「マイナ保険証」のメリットを詳しく見ていきましょう。
マイナ保険証の特徴とメリットとは
マイナ保険証とは、健康保険証としての機能をマイナンバーカードに登録したものです。1枚のカードにまとめられる便利さだけでなく、医療の質を高めるさまざまなメリットがあります。
- 過去の薬の処方歴や健診データを医師や薬剤師が確認でき、より適切な医療・投薬が受けられる
- 高額療養費制度の「限度額適用認定証」(医療費の窓口負担を上限額までに抑える証明書)が原則不要になる
- 確定申告の医療費控除がマイナポータルから自動入力で簡単に申請できる
- 転職や引越し後も手続き不要で継続して使用できる
特に、複数の医療機関にかかっていたり、多くの薬を服用していたりすることが多い高齢の方にとって、薬の処方履歴を医師が把握できる機能はとても心強いものです。飲み合わせのリスクを減らすうえでも大きな安心につながります。また、高額療養費の手続き書類が不要になることで、窓口での負担が減るのも高齢の方やそのご家族にとってうれしいポイントです。
マイナ保険証の登録方法は?
マイナ保険証の登録方法は以下のとおりです。
- 病院・クリニックなどの医療機関に設置されたカードリーダーで登録
- スマートフォンやパソコンから「マイナポータル」にアクセスして登録
- セブン銀行のATMで登録
ご家族が近くにいる場合、マイナ保険証の登録を一緒に行うと安心ですね。また、病院などの医療機関でも登録できます。「機械の操作が難しそう」と感じる方もいるでしょう。ただ、医療機関の受付スタッフがサポートしてくれることがほとんどですので、初めてのときは遠慮なく声をかけてみてください。
多くの自治体では、マイナ保険証登録のためのサポート窓口を設置しています。暗証番号等が必要ですから、行く前に電話で何を持参すればよいか確認しておきましょう。
メリットの多いマイナ保険証ですが、使用にあたって知っておくべき注意点もあります。続いて、マイナ保険証を使う際の注意点を解説します。
マイナ保険証を使う際の注意点
便利なマイナ保険証ですが、事前に把握しておきたいポイントがいくつかあります。
- 電子証明書の有効期限は5年。期限切れになると使用できなくなるため、更新手続きが必要
- 紛失した場合は再発行まで約1ヶ月かかり、手数料1,000円が必要
- 一部の小規模医療機関ではカードリーダーが未導入の場合がある
- 受付時に顔認証または暗証番号の入力が必要(機器操作に不慣れな高齢者には最初は少し戸惑う面もある)
- 薬歴・健診データの共有は本人の同意が前提であり、情報の共有を望まない場合は申告することができる
電子証明書の有効期限は5年ごとに更新が必要なため、更新時期を忘れずにチェックしておくことも大切です。お住まいの市区町村から更新のお知らせが届いたら、早めに対応するようにしましょう。
マイナ保険証の登録や操作に不安がある場合でも、医療を受ける手段はきちんと用意されています。それが次にご紹介する「資格確認書」です。
資格確認書とは?マイナ保険証との違い
資格確認書とは、マイナンバーカードを持っていない方やマイナ保険証の登録をしていない方に対して、保険者(健保組合や市区町村)から交付される紙の証明書です。従来の保険証と同様に医療機関の窓口で使用でき、医療費の自己負担割合もマイナ保険証と変わりません。
※上記は資格確認書のイメージです。保険者によって様式は異なります。
主な特徴は以下のとおりです。
- 原則として申請不要で自動交付(マイナンバーカード未取得者・マイナ保険証未登録者が対象)
- 後期高齢者医療の被保険者には2026年7月末まで自動交付
- 有効期限は最長5年(保険者によって異なる)
- 医療費の自己負担割合はマイナ保険証と同じ
似た名称の「資格情報のお知らせ」という書類がありますが、これは資格確認書とは別物であり、単独では受診には使用できません。手元に届いている書類がどちらなのか、一度確認しておくと安心です。
マイナ保険証と資格確認書の主な違い
| 項目 |
マイナ保険証 |
資格確認書 |
|---|---|---|
|
形式 |
マイナンバーカード(ICチップ搭載) |
紙の証明書 |
|
取得方法 |
マイナポータル等で登録 |
必要な申請不要
基本的に自動交付 |
|
薬歴・検診データ共有 |
可能(本人同意のもと) |
不可 |
|
限度額適用認定証 |
原則不要 |
別途申請が必要 |
|
有効期限 |
電子証明書:5年 |
最長5年 |
どちらの証明書を使っても、窓口で支払う医療費の自己負担割合に差はありません。「マイナンバーカードの操作が難しい」「スマートフォンの操作に自信がない」という方は、資格確認書を使って今までどおり受診することができます。ご自身の状況に合わせて、無理なく使いやすいほうを選んでください。
マイナ保険証・資格確認書のいずれかを準備しておきましょう
2025年12月2日以降、従来の紙の保険証は使用できなくなり、「マイナ保険証」または「資格確認書」のいずれかが必要となっています。マイナ保険証は薬歴の共有や手続きの簡素化に役立ち、特に複数の医療機関にかかっている方や、高額療養費の手続きが煩わしいと感じている方に便利な選択肢です。一方、操作や登録に不安がある方は資格確認書でも問題なく受診できます。どちらを利用しても、医療費の自己負担割合は変わりません。
まずは手元の証明書の種類と有効期限を確認してみてください。不明な点や不安なことがあれば、加入している健康保険組合や市区町村の窓口に相談してみましょう。