小規模多機能型居宅介護みんなの家・稲城長沼
【一日一心】小さな命と大きな喜び
Yoo!
みなさん、こんにちは。
みんなの家の王です。
大切な人と今年の紅葉を見に行きましたか?
多摩市はほとんどの木々が可愛い赤色に染められていますよ。
今日は愛猫なのちゃんのワクチンで、動物病院に行ってきました。
「立派になったね、お尻がちょっと大きすぎ…」と先生が笑いながら言ってくれて…
確かに4.5㎏になったなのちゃんが、
テレビの前にいると、なんも見えなくなったね(笑)
この小さな命の親として、自分ができることは何だろう。
6ヶ月の息子の父として、自分が教えられるものは何だろう。
その問いに、まだ答えは出ない…
昔の写真を見て、親との日々から答えを探そうとしても、
記憶がなかなか…
小さな手、大きな奇跡
昼下がり、施設の共有スペースは利用者たちも穏やかな会話が飛び交っていた。
93歳のT様はいつもの席でテレビを楽しんでいる。
その時、玄関の方から明るい声が聞こえてきた。
「こんにちは!」と元気な挨拶。
T様を含め、フロアにいた誰もがそちらを振り向いた。
職員のSさんが「孫が生まれたから、連れて遊びに来ましたよ~」と言ったら、
「まぁ、赤ちゃん?」と興味津々で笑っている。
Sさんが赤ちゃんを抱いて近づくと、T様の表情がぱっと華やいだ。
「こんなに小さいのね……かわいい。」彼女はそっと手を伸ばし、赤ちゃんの手に触れる。
ほんのりと温かく、柔らかな肌。まるで羽毛のようだ。
Sさんが「抱いてみますか?」と声をかけると、
Tさんは少し驚いたように目を見開き、それから小さく頷いた。
慎重に赤ちゃんを抱き上げた瞬間、その軽さと温もりが彼女の心に染み渡った。
「なんて小さいんだろう……こんなに軽かったかしら。」
赤ちゃんはぐずることもなく、T様の腕の中で穏やかに眠り続けた。
その姿を見つめながら、T様はふと思い出した。
自分の子どもたちが生まれた日、慌ただしくも喜びに満ちた日々のことを。
そして孫が初めて自分に「おばあちゃん」と呼びかけた瞬間のことを。
「この子はきっと、たくさんの愛に包まれるわ…」
T様は赤ちゃんを見つめながら呟いた。
その声は、小さな命への祝福と、長い人生を歩んだ者だけが知る深い愛情に満ちていた…
「私は迷惑な人間よ」
K様は、しばしばそう口にする。
言葉にできる数少ない記憶の中で、娘に対する負担だけは鮮明に残っているのだ。
「お母さんのこと、早くホームに入れなさいよ」と、よくT様が言ってます。
「一緒にいられる時間を大事にしたい…」と娘様から何度も伺っていました。
おふたりはきっとこの話をされたと思いますが、
T様にはその言葉がどれだけ伝わっているのか分からない。
認知症の症状が進むにつれ、母の中に「親らしさ」の記憶が消えていくのを、娘様は感じていた。
K様の言葉に傷つかないわけではない。それでも、娘様には母との時間が宝物だった。
認知症が進んだとしても、母は母であり続ける。
母としての記憶が消えても、娘の中には母との絆が残っている。
それが、娘様の支えだったのでしょう。