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2025年9月19日

NEWS LETTER:夢のつづきvol.1 ~自分らしさを未来へ~  阪神ファンのお客様、夢の東京ドームでの野球観戦!

ALSOK介護株式会社(本社:埼玉県さいたま市、代表取締役社長 熊谷 敬)では、介護現場における生産性向上とお客様の「自分らしい生活」の実現に向けた取り組みを、本社社員による取材形式で紹介してまいります。

今回は、当社が活用する「ライフマップ」から生まれた、“心に残る”物語を紹介します。

「ライフマップ」とは、株式会社さわやか倶楽部様と九州大学が共同で開発した、ご高齢者の思いや人生を可視化する対話型ツールで、当社は株式会社さわやか倶楽部様の助言のもとに使用しています。その方の歩みや趣味・関心を共有し、「今とこれからの、自分らしい暮らし」づくりに活かしていくために、当社においてはとても大切なツールです。ご紹介する事例は、98歳男性で要介護度4のA様のストーリーです。

【Part.1】 阪神タイガースとともに歩んだ75年、東京ドームで再び

2025年1月。入院生活を終えて、サービス付き高齢者向け住宅 アミカの郷松戸(以下、「アミカの郷松戸」)に戻られたA様。かねてより大の阪神ファンであることは伺っていましたが、ライフマップを通して「阪神とともに生きてきた」と言えるほどの深い“想い”をお持ちであることがわかりました。

そこで東京ドームでの阪神vs巨人戦の観戦を企画。A様には酸素吸入や点滴、バルーン管理も必要となるので看護師を同行させ、安全面に配慮することをキーパーソンのご長男様にご説明し、この企画に快諾いただきました。さらに、ご長男様から「自分が子供のころ、父に後楽園球場に連れて行ってもらった記憶があります。父は東京ドームには行ったことがないと思うので今度は私が父を連れて行ってあげたい。是非一緒に行かせて欲しい。1月の退院の時は、医師から3か月持てば良いと言われていたのに、こんなに回復するとは思いもしていなかった。父が望むのであれば、施設もお手伝いをお願いします!」 とのお言葉をいただきました。

この企画の最大の難関は2つ――、A様の体調とチケットが取れるかどうか・・・。                

7月9日にチケット当選の知らせが届き、観戦当日の8月17日(日)に向けて、A様はもちろんのこと、ご家族様、介護、看護、ケアマネジャーも連携をしながら準備を進めてきました。

【Part.2】 感動、そして新たな目標が!

そして迎えた当日――。

「完全武装」のA様は元気いっぱいにご出発!

ご長男様と東京ドームに到着して、圧倒的な雰囲気のなか、大好きな阪神タイガースの選手たちが目の前に!そして、久しぶりにご長男様とビールを飲みながら、お二人で「六甲おろし」を歌われたA様の表情は、“この日のために生きてきた!”と感じられるほどキラキラと輝いていました。

試合結果は阪神タイガースが3対1で勝利!大満足で観戦を終えた帰路に、ドライバーを務める職員が車内から見える景色を説明していると、左手に東京スカイツリーが見えてきました。

するとA様から

「東京タワーには行ったことがあるが、スカイツリーには行ったことがないなぁ。

高い所は好きだからスカイツリーにも行ってみたいなぁ」

という声が――。

なんと、新たな目標ができました!

【アミカの郷松戸 矢嶋ホーム長、三井田看護師インタビュー】

Q. この企画を成功させるために、まず、何が一番心配でしたか?

矢嶋ホーム長: まず、目の前に難関が2つありました! 1つ目は、阪神対巨人戦のチケットを取れるのかどうか、5分間に数万枚が売り切れるチケットをご長男様と職員みんなで応募をしました。2組当たった時は、奇跡だと思いました!そして2つ目の難関は、A様の体調を観戦の日まで保てるかでした。

Q. A様の体調を整えるのは、さぞや大変だったのではないですか?

三井田看護師: はい!もう正直、毎日が綱渡りでした。皮膚がものすごく弱い方なので、褥瘡は繰り返されるし、バルーンカテーテルの感染リスク、誤嚥性肺炎の心配もありました。リウマチは薬でコントロールしていましたが、痛みが出ることも増えていたのでこのコントロールも難しかったです。食事もあまり摂れませんし…。お通じも水状でしたので、そのコントロールにも苦労しました。その戦いは観戦当日まで続きました。午前中に浣腸・洗浄を行い、褥瘡予防には、医師に処方してもらった特別なシートを貼って、やっと出発という感じでした。

Q. 介護の支えも欠かせなかったのでは? 

 矢嶋ホーム長: ええ。本当に毎日の積み重ねでした。食事が進まないときに、職員が『これを食べないと東京ドームに行けませんよ~』なんて笑いながら声をかけると、A様も「そうだな。食べないとな」と、口にしてくださった。衣類や座布団を工夫して褥瘡を防ぎ、プッシュアップを促す声かけも欠かしませんでした。A様、そして介護と看護が一体になって挑んだ1か月だったのです。

Q. いよいよ東京ドーム。当日の光景は?

三井田看護師: 特別に借りたリクライニング車椅子で移動しました。移動中も体調が維持できるように、視力があまりよくないA様のために、ドライバーの職員からバスガイドのように車窓の様子を話ながらの道中となりました。東京ドームでは、関係者専用の入口から入ることができたので、待たされることもなくスムーズな入場でした。着席直後に阪神が得点をあげ、A様は満面の笑みでした!7回には『六甲おろし』を大声で歌って、さらに息子様とビールまで…。あの瞬間は、まさに“生きる喜び!”そのものでした。

Q. 帰路や帰宅時の様子はどうでしたか?

矢嶋ホーム長: 帰りはさすがに疲れ切っておられて、リクライニングが本当に役に立ちました!       

でも、施設に戻ると『ありがとう!』 と笑顔でご挨拶をされ、職員全員が胸を熱くしました。そして息子様がすかさず 『次はスカイツリーだそうです!』 と⁉                         

“夢は終わり”、ではなく“次へ”とつながっていました。

Q. 今回のご経験は、スタッフにどんな影響を与えましたか?

矢嶋ホーム長: 職員たちは『他のお客様の夢も叶えたい!』 と自然に口にするようになりました。職員の気持ちは「できない理由」ではなく「できるために」へ向いてきたのです!

三井田看護師: 準備は本当に大変でした。でもA様の笑顔にすべてが報われました。「生きる目標」が人に力を与える...。 その“真実”を私たち自身が学ばせてもらいました。

【編集部まとめ】

98歳の男性が東京ドームで六甲おろしを歌い、ビールを口にして、「次の夢」を語る――。

その裏側には、看護師の医療的な工夫と、介護職の日々の支え、そしてご家族が一体となって積み重ねた1か月以上の努力の結果がありました。

アミカの郷松戸がこの挑戦で掴んだ答えは明快です。 

“生きる力は、目標から生まれる” 

次のストーリーが楽しみです。

編集部:ALSOK介護株式会社  

事業管理部 教育研修課