居宅介護支援事業所あさがお七里
退院の準備 ~ケアマネ目線からのおはなし~

ご高齢の方が入院された場合ご家族様が、短い時間で決断しなければならないことも多いですね。
気になる病状や今後の見通しについて
お医者様は、もちろん、ていねいに説明してくれますが、
日常から医療の会話をしている方と、一般の方の間では
理解度や受け止め方に、どうしても温度差が生じてしまうようです。
入院といっても、一時的なケガや病気から慢性的な原因によるものまでざまざまですが、特にご家族様が戸惑われるのは(ちょっと深刻な話になりますが)、急変するリスクが高く、もとの生活にもどれるのか不透明、といった状態のときではないでしょうか。

●もう延命の話っ!?
急変するリスクが高く、ご本人の意思確認ができないとき、病院では早い段階で「延命治療に関する意向うかがい」をご家族に行うのが一般的になっています。たとえば、「心臓マッサージをする」「人工呼吸器をつける」などの処置をするか否かについて、書面でyes、noを伝えるものです。
→必ずしも治療不可と確定したわけではありません。どうか落ち着いて説明を聞いてください。また、治療の進行に従って病院との話し合いは続き、最初の意向は変えることができます。
●食べられないっ!?
また、回復してもお口からお食事を摂れない(食べられても誤嚥してしまう)可能性があるとの見立てがあった場合、同じように早い段階で問われる点があります。それが、管から栄養を摂る方法を選択するか否かです。(胃ろう、経鼻経管栄養、中心静脈栄養など)
→こちらも、食事の訓練を一切断念したという意味ではありません。リハビリの可能性を十分に聞いておきましょう。ただ、お話があった時点で食事訓練はかなり困難となっていることは確かです。ご本人のお気持ちを考え、ご家族様間で話し合いながら、要望を固めていきましょう。この点は退院後の生活計画にも影響します。
●もう退院っ!?
急性期の
治療が終わると、今の病院では長く療養生活できないのが現実です。退院後の生活について、医師や医療相談員(MSW)との話し合いがはじまります。
こうした話し合いは、個人情報に関わることですので、基本的にご本人、ご家族様と行われます。施設系の紹介、連携などは、患者様の状態、介護度、経済面などに応じて病院の相談員様から提案いただけます。

●いざというとき、ご本人様の気持ちを代弁できるように……
お身体を悪くされたときのことを考えるのは、あまり気持ちのよいことではありませんが、ご本人様がどんな生活を望まれているかだけでも、ご家族様でぜひ早めに話題にしていただければと思います。
[お医者様とのお話や、ご家族での話し合いのための 参考資料]
厚生労働省:人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000197721.pdf
厚生労働省:人生の最終段階における医療に関する意識調査
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/saisyuiryo_a_h29.pdf

●さいたま市見沼区のケアマネ事務所
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